保育所等訪問 小学校

小学2年生男児。診断:ADHD この児童は公立小学校の普通クラスに在籍。

H30年6月より保育所等訪問を開始。

授業中の手まぜや離席が目立ち、鉛筆をかじる、授業中先生の指示を聞いていない、授業後に他児童にパンチする、食事量が少なく、時間がかかるなどの問題点が上げられる。

 

H30年11月

直接支援(音楽)

音楽の授業で片付けの指示がある。他児童は椅子と楽器を片付けるが、片付けている他児童に声をかけ時間がかかる。

椅子を片付けることを忘れていたのか、本児が使用した椅子だけが残っている。先生が、「この椅子はどなたにでしょうか」とクラス全体に聞くと、本児は使用したことを忘れていたのか自分であるとは言わなかった。他児童より「○○君が使っていました」と言われると、思い出したのか「自分が使った」と言う。

グループ学習での5分間練習では、説明を聞いていなかったため練習内容がわからず同じグループの他児童に話しかけたり、楽器を足でいじったりしている。

発表では、練習をしていないため「できていません」と先生に伝える。

 

間接支援

(小学校での様子)

1学期は他児童を仲間に入れなかったりしていたが、最近は逆に自分から「仲間に入れて」という場面が多い。「仲間に入れてくれない」と先生に訴えることがあった。先生が状況を聞くと、「何をするか決まってないから待って」と他児童は答えたそうで、本児に確認すると「言われた」とのこと。待つことができなくなっている。

鬼ごっこでは、本児が鬼になると「やめた」と言う。ドッジボールはルールに従えるようになり、他児童がルールを無視すると注意できるようになった。

今後の対応について

席替えでの机の配置について話し合う。現在まで前列が多かったが、後列に変更し、行動や言動を観察する。

 

H30年12月

直接支援(国語)

始業の号令で、本児は手まぜをして挨拶ができず、先生より注意を受ける。「うるさい」と先生に暴言をはく。挨拶ができないので何度も指導を受ける。先生の説明中、教科書に穴を開けたり落書きをしたりしていて黒板をみることもない。全員での音読では、読んだり読まなかったりし、手まぜをしたり指をなめたりあくびをしたりしている。

他児童の発表を聞いていない。本児の発表になると、質問を聞いていないので答えることができない。先生からの指示も耳に入っておらず、指示通りに行動できない。他児童が答えられないのをみて「そんなのも答えられんと?」と言う。本児も同じ状況であったにも関わらず、他者の気持ちを汲み取れていない様子がうかがえた。

他児童の発表中、大声で笑ったり独り言を言ったり、他児童の発表の邪魔をし、先生より指導を受ける。

 

間接支援

ひまわりのもりでの様子

指示が通らず、スタッフから何度も注意を受ける。スタッフや他児童への暴言も見られ、落ち着きがない。

平日は課題プリントに取り組み、土曜日の午前中は散歩にでかけ体を動かすようにしている。

 

(学校での様子)

後列の席になってから集中が出来なくなっている。「前の席がよかった」と本人から訴えがある。

国語では、連想することが苦手で、自分の気持ちを文章にすることが難しい。算数では計算はできるが、文章題になると読むのを面倒くさいと感じている様子。

 

今後の対応

席替えでは、前列に机を配置する。

 

H31年1月

直接支援(国語)

作業中わからないところがあったら、「~な時はどうしたらいいですか。」ときちんとした言葉遣いで先生に質問ができている。教室内での移動中、以前は他児童への声かけがあったが、今回は声をかけることもなく静かに着席できた。

 

直接支援

(ひまわりのもりでの様子)

服薬中の薬が変更になったことで行動が落ち着いた。積極的に課題に取り組むことができており、他児童とのトラブルも見られない。危険な行動や暴言もなくなった。他児童との関わりもスムーズにできるようになり、協力して活動することができ、仲間意識が芽生えている様子である。

 

(学校での様子)

国語では、対象となるものの気持ちになって考え文章にすることが苦手であったが、できるようになり自信がついている。

算数の分数は、理解できており、他児童に教えることもある。友達との関わり方では、「○○さんはこんなところができていいね」と相手のいいところを見つけて言葉にすることができている。

昼休みには「宿題をしていいですか?」と先生にたずね取り組むこともある。他児童から出遅れることもなくなり、トラブルもなくなった。

給食は25分以上かかり、食事量が減少している。

 

今後の対応

食事量が減退しているため、ひまわりのもりでの補食を検討する。